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土曜日に映画館でAKBGのリクアワを観た。最後にリクアワを観たのは2012年の西宮の映画館。順位が発表されると思ったら、「番外編」と画面に出ていきなり「ぐるぐるカーテン」の文字が躍った日。そんな超久しぶりのリクアワ鑑賞。最近の流れはなんとなく心得ていたので、知ってる曲がないのは承知のうえ。でも、もしかしたらSTU48の「瀬戸内の声」がランクインしてるかなと密かな期待を抱いての着席。(実は岡田奈々さんと村山彩希さんが目当てでもあった)



〇J-POPの形式と異なる楽曲構成

1位となった「世界はどこまで青空なのか?」、この曲をこの日にはじめて聴いた。とてもとても新鮮で、すごくいいと感じた。普段よく耳にする、Aメロ→Bメロ→サビ、を1番2番と繰り返して大サビ→落ちサビ→ラスサビへと至るJ-POPのプロセスを踏まずに、「バース→コーラス」の洋楽形式で勝負した曲。個人的には、現在のJ-POPの形式、様式美は80年代後半から整えられてきたもので、自分が子どもの頃の歌謡曲とかニューミュージックには、「バース→コーラス」の二つのメロディで作られていた曲が多かったように思う。だから、この曲も新しい表現に挑んでいるというわけではないけど、すごく久しぶりに聴いたような感じがして、そこがすごく新鮮だった。

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バースの中にだいたいサビ的な「おいしいところ」が最初から詰まっていて、コーラスではもうひとつ「別のメロディー」が被さってきて曲を盛り上げていく。大ざっぱだけど、「バース→コーラス」形式の説明(ほんと雑)。ビートルズの曲に多いと思ってるし、まあ一般論として洋楽に多いかたちと考えていいと思う。「世界はどこまで青空なのか?」を聴いた瞬間に、「ロックじゃん!」と思ったのもまずこの形式による影響があると思う。

余談というか自分の想像でもあるんだけど、「バース→コーラス」の成立した理由とか年代をたどっていけば、おそらくキリスト教(とくにカトリック)の典礼の「答唱詩編」にたどり着くんじゃないかなと勝手に想像してる。J-POPがそこから様式を変化させていまのかたちを作ってきたのに対し、洋楽がわりと形式的にそう変化がないのもそのへんなんか関係あるのかなとか。
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最近ずっと、乃木坂46の楽曲を中心にポップスを聴いてきた耳にとって、この曲は「耳から鱗」の思いだった。疾走感溢れるサウンドもよくて、とくに中間部でブリッジ(大サビ的な)した後にギターの間奏があって、そのあとがまさにverse(詩歌)になってて、これJ-POPでは落ちサビって言うんだろうなと思いつつ、いや絶対詩歌だよなと心に念じつつ聴いてたらベードラとベースのすごく分厚いダダダダッの連打が来て、同時か直後ピアノのビューーーンンのグリッサンドが来て、最高潮盛り上がったところでchorus(合唱)に繋がるこの部分でポロッと涙でた。ほんと感動した。

さらに、すごく感動が高まっている最後のchorusで、センターの荻野由佳がなんと客席に背を向けて、メンバーのほうを向いて指さしながら「微笑んでほしい」「幸せになって欲しい」って歌いだすわけで、このあたりほんとうに泣きながら観てました(あとでこういう演出、振りつけだと知る笑)。

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〇5分間のドラマではないけれど

1曲の視聴を通して、まるでドラマを見てる、なにか物語を読んでいるような感覚になることが、乃木坂46やけやき坂46の曲にはあるけれど、「世界はどこまで青空なのか?」は単刀直入なメッセージソング。単純でストレートなメッセージを伝える曲。そのために最適な表現の形式を作者は選択したのかなと想像した。積み重ねていく物語よりも、最初から言いたいことを伝える。そのための音楽として。


(おぎゆかちゃんにまつわる話しとか、中井りかちゃんのこと?そうしたコンテキストな部分をまるで知らないので濃い語りは出来ないんだけど、あくまで初見としての感想でした。)



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                                                                           (だいせんせ)